飛んでいく渦輪を眼でみえるようにする方法を紹介します。
つづいて上級編、渦輪を詳しく観察するための方法です。
ちょっと難しい話からで恐縮ですが・・・。
大学などの研究分野に 「流体計測」というものが発展しており、そのひとつにPIV(粒子画像流速測定法/Particle Image Velocimetry)という技術があります。空気に煙などを混ぜることで、通常 目に見えない渦輪を可視化し、そこへシート状の強力な光(大抵はレーザー光)をあてると、空気の流れ方や その方向、速さなどを観察することができます。
このように聞くと難しく感じますが、図工や美術の時間に行った「マーブリング」と似た現象を使って、渦輪の観察が行えるのです。研究者と同じ方法で観察を行うのは無理(機材だけで数百万円かかるそうです)ですが、簡略化した観察を行う方法を紹介します。
使うのは、
スモークマシンなど渦輪をみえるようにするもの(詳細は
その1を参照下さい)、
レーザーポインタでレンズを交換できるものです。
レーザーポインタには通常 一点に光を集めるレンズが使われてますが、
扇のように拡散させるレンズ付きのものが1000~2000円程度で手に入ります。またダーツ競技などで使われる
レーザースローラインという製品も同様のことが出来ます。
空気に混ぜるスモークは、PIVでは「トレーサー」と呼ばれる役割があります。 このトレーサーにレーザー光が当たると、光が乱反射し像が浮かび上がるので、そのかたちから流れ方を調べることが出来ます。
レーザーは強い光ですが、部屋を暗くして観察します。流れの遅いところではオーロラのように、渦輪はアニメの気功波のような像が浮かびます。
観察はデジタルカメラを使って動画撮影を行うと、あとで細かな観察を行うことが出来ます。その際はコントラストを高く、明るさは暗めに設定すると 像が綺麗にみえます。
下は実際に観察した際の様子です。台風の目のような箇所が観察され、渦輪が回転運動であることがわかります。また渦輪のあとに続く「ゆらぎ」部分もみることが出来ます。
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レーザー光は目に入ると大変危険です、充分気をつけて実験してくださいね。