2018年7月17日はガリレオ工房の例会でした。今回は総会があるので時間が短めです。
さて、例会・総会が終わったあと、参加者の方から質問がありました。
世の中でビニールプールを利用した空気砲があります。この空気砲から
渦輪が出てくる穴は、厚手の板かシート上にあいています。ビニールプール自体も輪なので、
直接プールの縁から渦輪を作ることは出来ないのだろうか、というものです。

空気砲の箱を叩くと、開けた穴から空気が飛び出てきます。飛びだした空気(噴流)は
周囲の空気から抵抗を受けて速度勾配が生じ、中央から端へ捲れあがる流れが渦輪です。
この渦は、噴流が周囲の空気から抵抗を受け剥離する流れから生じます。
そのためには、整った流れ(層流状)をつくる箱と穴が必要なのですが、
ビニールの柔らかで、かつ管状の構造では流れが不安定になりやすいのでしょうか。
我々の感覚では あまり上手く渦輪が出来そうにない印象です。
ただ効率が悪いだけで、出来なくは無いはずです。自然界で渦輪をつくる、例えばイルカなどは、
その口は板のような剛体ばかりでなく、また角にRもついているものも、あるでしょう。
なお一般的に、空気砲の穴はノズルやディフューザーのような断面積が徐々に
変化する形状よりも、ナイフエッジのようなオリフィス形状にすることで、
穴から出た放出された空気を積極的に剥離させることが多いようです。
渦輪現象の詳細については、文献も参考にして下さい。
◆噴流の渦(豊田 国昭 著、日本流体力学会)
http://www.nagare.or.jp/download/noauth.html?d=24-2-t03.pdf&dir=53
【試してみよう】
穴の大きさや形状(丸、四角、三角)など変えて試してみましょう。
また個数を増やしたとき、渦輪の飛び方は変化するでしょうか。